藤谷治『船に乗れ!I合奏と協奏』作中登場曲の曲目リスト

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏
船に乗れ!〈1〉合奏と協奏

28ページ 「昼休みの放送時間にベートーヴェンチェロソナタ第三番をかけようといって」

ベートーヴェン チェロ・ソナタ 第3番 ケラス&野平 2005年 東京‐ニコニコ動画(ββ)

83ページ 「今、何弾いているの」僕は尋ねた。「ベートーヴェンの『春』」南は表情を変えずに答えた。」

YouTube - GRUMIAUX and HASKIL Beethoven Sonata No.5 SPRING part1

119ページ フォーレ『レクイエム』クリュイタンス

津島「俺たち、けっこうつるんでるけど、あんまり音楽の話とか、しないよな」
伊藤「してるじゃん。こないだも津島、僕にフォーレの『レクイエム』を聴けって。僕聴いたよ。クリュイタンスの指揮のレコードで。怖いくらい、よかった。」
クリュイタンスのはなかったので。

フォーレ:レクイエム
フォーレ:レクイエム
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5 最高、至高のレクィエム
5 透明な悲しさ
5 静寂の美
4 最も良い意味で「古典的な」フォーレのレクイエム
4 荘厳な レクイエム

139ページ バッハのロ短調のフルート・ソナタ

「このとき伊藤が不意に奏で始め、僕が聴いたそれは、理屈も何もありはしない、美しい音の美しさ、音楽そのものだった。」

143ページ 前に南の前で弾いた『無伴奏チェロ組曲』一番の二曲目、アルマンドを弾いた。

伊藤「明日は帰っちゃうんだね。なんかあっという間だ」
「じゃ、明日の朝、僕が何か弾こう」と僕がいうと、
「私も来ようかな」と、南がいった

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)
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5 至高の音楽
5 ただ、感謝
5 一挺のチェロが歌いあげる音楽の、なんて豊かなんだろう。人類の遺産というべき名盤


144ページ サラバンド

南はまばたきもせずに僕を凝視して、口を開いた。
「もう一曲お願い」
僕は一瞬考えた。それから頁をめくって、サラバンドを弾いた。それはその頃の僕に弾くことのできた、もっとも美しい音楽だった。

144ページ ベートーヴェン『春』、グリュミオーがヴァイオリンを、クララ・ハスキルがピアノ

「私だけ弾かないの、悔しいから」
そういっていきなり弾き始めたのは、ベートーヴェンの『春』だった。
前に彼女がこの曲を練習している、と聞いてすぐに、僕はグリュミオーがヴァイオリンを、クララ・ハスケルがピアノを弾いている『春』のレコードを買っていた。こんな美しい曲を、南は弾いているのかと思いながら、何回聴いたか判らない。

ベートーヴェン:VNソナタ第5
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5 ベートーヴェン:VNソナタ第5

149ページ リストの交響詩『プレリュード』

サトルがトラで弾いた曲。

151ページ カラヤンの指揮する『プレリュード』のレコードをカセットテープにダビングさせてもらった。

154ページ ルドルフ・ケンプのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集

橋本は一か月声楽のセの字もやらずにマクドナルドのバイトにいそしみ、ルドルフ・ケンプのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集のLPを全巻手に入れていた。

168ページ メンデルスゾーン、ピアノ・トリオ(ピアノ三重奏曲

「南さん」
誰が見ていようと構わなかった。だけどあんまり見ている人はいなかった。
「あの、今度の文化祭なんだけど」
「うん」
「僕と一緒にピアノ・トリオをやらない?」
メンデルスゾーン?」

「レコード持ってる?いっぺん聴いておきたいな」
「持ってるよ。カザルスの。テープにダビングしてあげるよ」

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5 「鳥の歌」に込められたカザルスの深い悲しみが伝わってくる感動の演奏です
5 平和への願いが込められた心にしみるライブ

172ページ カザルス・トリオのピアノ・トリオ一番

この、シューマンベートーヴェン以来の傑作と絶賛されたピアノ・トリオ一番は、二十世紀の始めには、「カザルス・トリオ」の代表的なレパートリーだったのだから。「カザルス・トリオ」は三人が三人ともスーパースターだった。

215ページ ハイドンのオラトリオ『天地創造』、連弾でドビュッシーの『小組曲』、モーツァルト変ロ長調ソナタ、『ラプソディ・イン・ブルー

 ピアノ・トリオはできなかったけれど、それで僕と南が文化祭に出番がなくなったというわけではなかった。声楽専攻の生徒たち、それに大学生も合同で、ハイドンのオラトリオ『天地創造』のコーラスに、オーケストラの一員として僕たちは参加したし、「副課ピアノ五十人衆」とかいう催しでは、南は鮎川と連弾でドビュッシーの『小組曲』を弾いた。僕もこれにはモーツァルト変ロ長調ソナタで参加しようとしたのだが、練習不足でオーディションに落ちてしまった。
 いずれにしても文化祭の主役は僕たちではなかった。この年の文化祭は、三年生の有志による即製の小規模オーケストラが『ラプソディ・イン・ブルー』を演奏して、記録的な大失敗をしたことと、伊藤慧の天才が広く学園内に認められたことで記憶される。

モーツァルト変ロ長調ピアノソナタはたくさんありますが、連弾と仮定するとK.358?

216ページ ヴィヴァルディ『忠実な羊飼い』作品番号13

文化祭で一人の生徒のために一室が与えられたのは、新生学園高校史上初めてのことだそうだ。

 彼はヴィヴァルディの『忠実な羊飼い』を演奏したのである。

236ページ プロコフィエフのピアノ・ソナタヒューゴー・ヴォルフの歌曲、ウェーバーの「舞踏への勧誘」、パガニーニ


256ページ シューベルトイ長調のヴァイオリン・ソナタ (D.574)

「叔父さんたちは何を演るの」
シューベルトのアー・ドゥア」
イ長調のヴァイオリン・ソナタだ。


270ページ ホーム・コンサートでおじいさま(松野学長)が弾いたバッハのコラール、BWV605、BWV615

おじいさまは黙って鍵盤に向かった。長いこと動かなかった。
どうやらおじいさまは、この日何を弾くか、全然決めていなかったらしい。演奏したのはさっきよりさらに輝かしい。明るさに満ちた音楽だった。
このホーム・コンサートの十五年後に、おじいさまは死んだ。
三回忌になって僕は突然、このふたつの数字を思い出した。それがなんという曲であったか調べた。そして図書館の閲覧室でそれを見つけたとき、不覚にも僕は泣いてしまった。

YouTube - BWV 605 - Der Tag der ist so freudenreich

YouTube - Bach - In Dir ist Freude, bwv 615

280ページ、チャイコフスキーのワルツ